ハチさんの子育て記録
淡水魚倶楽部員登録No.360

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ハチさんの撮影画像
(2004.05.09〜2004.06.12)
≪≪ハチさんのホトケドジョウ産卵⇒孵化⇒成長の貴重な記録です。≫≫

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《画像bP》孵化一日目(3mm)&七日目(7mm)

《画像bQ》仔魚ネットに移動 2004.05.09

≪PROLOGUE≫
ウチの『ホトケドジョウ』が孵化して一ヶ月が経過しましたが順調にすくすく成長しています。
そこで孵化記録を書いてみましたのでちょこっと見てください。
ウチにはデジカメがなく撮影はデジタルビデオの前に虫メガネを通して静止画機能で行なったので御了承を。
それから内水試の勝呂様にもいろいろ教えて頂いたのでその内容も載せています。(掲載許可は頂いています。)
                                                         By hachisu

ご指導及びご協力に感謝しております。  神奈川県 水産総合研究所 内水面試験場 主任研究員 勝呂様
                                                         By SAKU



≪ホトケドジョウの仔魚発見:画像bP&bQ≫2004.05.09
日曜の朝、いつもの様にエサやり&お魚観察をしていると何やら視界を横切る影が?
この水槽では1週間前に『ミナミヌマエビ』の稚エビが確認されているので「ミナミくんかな〜」と (p_-) 
虫メガネで見るとなんか泳ぎ方が違うよ〜な。 
「魚だ〜〜!」
水槽には『ミナミヌマエビ』、『ヤマトヌマエビ』以外は『ホトケドジョウ』が2匹だけなのですぐにホトケの仔魚だと解りました。(しかしドジョウには見えませ〜ん)
この時の水温20℃で水槽内はウィローモスやアナカリスなどを多めにレイアウトしています。
45cm水槽に底面&外部ろ過の排水口が2つと水流がちょっと強いので仔魚は隔離ネットの中で飼育する事にしました。
すぐに吸い込み口にウールマットを巻き仔魚が吸い込まれないようにしてからスポイトで仔魚を吸ってネットの中に移動です。

最初の仔魚を確認してから1週間毎日10〜30匹程度の仔魚を隔離しましたが、当初あまりにも小さかったのでほとんどがすぐに☆様になってしまうかなと思っていましたがみんなすくすくと成長しています。
(↑の画像は孵化1日目(たぶん)3mmと隔離して7日目7mmの仔魚)
エサは朝と夜にブラインシュリンプ、夕方にテトラミンベビーとビール酵母を与えていますがすごい食欲です!

この頃からちょっと疑問がいくつか出てきました。
それはホトケが1週間、毎日孵化している事?いったい何個産卵するのか??
その辺を『神奈川県水産総合研究所内水面試験場主任研究員・勝呂様』にお伺いしましたところ。。。。。

ホトケの産卵数は千〜千五百粒位(個体差有) 産卵は不規則で、条件がよいと連続で4〜5日産むこともあるが一週間ほど間が空く時もあり産卵期間は60〜90日程度

それを知ってから隔離するのをやめました。 これ以上は飼育できませ〜ん。(>_<)



《画像bR》孵化二週間目(15mm) 2004.05.23

《画像bS》親魚と同居中の仔魚

≪二週間目の仔魚:画像3&4≫2004.05.23
↑2週間経過しましたが仔魚達は順調に成長して大きいので15mmくらいです。
しかも今でも毎日孵化してます。
親魚と同居している仔魚(画像4)も何匹かはちゃんと生き残って成長しています。



《画像bT》

≪仔魚の自然環境飼育:画像5≫
孵化が続いているので孵化したばかりの10匹を屋外60cm水槽(エビのみ、コケ&水草だらけで底面ろ過あり)に入れてみました。この水槽にはエサを与えないで飼育してみようと思います。
この頃に自然環境ではどんな状況か親魚を採集したフィールドを観察してきました。
フィールドでもウチのホトケっ子と同じくらいの仔魚を観察できました。
その他にも『カワムツ』、『シマドジョウ』、『ジュズカケハゼ』の稚魚や抱卵してお腹がパンパンの『ギバチ』、『ミナミヌマエビ』もいました。自然環境下でもベビーラッシュですね!!!



《画像6》孵化四週間目(20mm)

《画像7》稚魚用水槽にお引越し

《画像8》ハチ部屋は総勢156匹

≪四週間目の仔魚:画像6&7&No.8≫2004.06.06
もうすぐ4週間になり2cmくらいある個体もいるのでそろそろ稚魚用水槽にお引越しです。
その前にネットから一度プラケースに移してホトケっ子の人数確認をしたところ。。。。な、な、なんと!総勢156匹です!(孵化した数は250匹以上?\(◎o◎)/)
ただ個体差が結構あり1/3くらいは成長が遅いようです。
とりあえず成長の良い半分くらいを親魚水槽とほとんど同じ環境の稚魚用水槽に移して、残りはネットに戻しました。
この位の大きさになると肉眼でもヒゲが確認(画像ではわかりにくいですね)できるようになり、だんだんホトケ様になってきました。
エサは朝に冷凍ブラインシュリンプとキャット、夜にテトラミンとビール酵母を与えてます。
屋外水槽も2週間が過ぎましたが8匹がゆっくりですがちゃんと成長しています。


≪ホトケドジョウ産卵・孵化・繁殖・放流に関する考察≫
今回、『ホトケドジョウ』の産卵、孵化を経験してまわりの特にお魚に興味のない普通の人達にホトケについて話をした時、ちょっと気になる反応が結構ありました。
『ホトケドジョウ』という魚がいることを知らなかったのでまず『希少な魚で・・・』等
説明して沢山の子供が産まれた事を教えると『自分も飼育して殖やしたい』とか『近くの川に放流すれば殖えるね』などなど・・・
彼らからすれば環境や魚の事を考えての善意から出た言葉ですがいろいろ問題もあると思ったので詳しい事をまたまた勝呂さんにお伺いしました。

ホトケドジョウは生息地により地域変異があるので水系の問題があります。
それから、生息地の調査を行っている水域や復元を実施している水域(公になっていない場所も多い)もありますので、一般の方が各自、ばらばらに放流されても混乱して困ります。それから、種苗の遺伝的な問題があります。
最近、水産重要魚種でもよく言われていますが、種苗の多様性の問題、つまり少ない親から同じ血の子供をたくさん放流することはちょっと問題がありそうです。
 自然に生息する100尾と、飼育下で一尾の親から生産して成長した100尾とは全く違いますよね。
もちろん、『ホトケドジョウ』がいなくなった水域を復元する場合は、そんなことは言ってられません。
しかし、今、いる生息地に飼育下で増えたものをやたらに放流するのは如何なものかと思います。

しかし、私の主張は、一般の方に「増やすな。放流やめろ」と言うことではありません。
試験場と一緒になって計画的に保全をしていただきたい。
そういった志のある方には是非、協力していただきたいのです。
あっちこっちに個人が好き勝手にやってしまうと、『メダカ』のようになり、どれがほんとうで、どれが偽者かさえ、わからなくなり、収集がつきません。

そのためには、皆さんが、いつ、どこで、何尾採集したものを増やしたのか、きちんと記録することが大切です。
そして、うまく増えた場合には、どうするのか一緒に相談しましょう。
状況によっては放流するケースもあるでしょうし、また、近所の小学校で飼育してもらうなんてこともあります。


というのが勝呂さんの御意見です。
今回のホトケの産卵、孵化を経験していろいろ調べたり周りの反応をみて放流について考えさせられました。
私の様なほとんど産卵観察経験のない者でも150匹以上を繁殖できたので水槽設備を増やせない方が安易に繁殖させて放流してしまったら・・・
と思い最後に放流についての私の考えです。

善意でも希少な魚を殖やしてただ放流すれば良いという考えはよくないですね。
ただ一般の人にそこまで理解してもらうのも難しい事ですが・・・
ただ採集&飼育している以上、繁殖も責任をもって行わないといけませんね。
私の住んでいる近くでもホトケの復元放流を行っている川があるそうなので、この経験を活かして今後お手伝い出来ればいいなと思っています。
この様な環境問題は実行する事も大事かもしれませんが、まず興味・関心をもったら知る事が一番大事だとわかりました。

≪その後のホトケドジョウ水槽≫2004.06.12
本日、10日ぶりにホトケがまたまた孵化していました!!!
最近、親魚のお腹が少し膨らんで来ているような気がしていましたが、あれだけ孵化してその後、孵化する様子がなかったのでコレで終わりかな〜と思い始めていた時だったのでビックリしました。
これだけ産卵してもらえると自分が管理している水槽を気に入ってもらえた様ですご〜くうれしいです。 
ホトケ様に感謝 m(__)m


SAKUさん、カラツンさん、勝呂さんのお力を借りてなんとか現在までホトケっ子も順調に成長しています。
ありがとうございました。これからもアドバイスよろしくお願いしま〜す。



≪この続きは乞うご期待あれ〜〜〜≫By SAKU
前回の淡水魚倶楽部員カラツンさんに続く『ホトケドジョウ』の産卵⇒孵化⇒成長の記録です、『ドジョウ科』の中では飼育環境下に於いても他のドジョウと比較すると比較的容易に繁殖を観察出来ることは周知の事実ですが、繁殖観察にはやはり飼育者のそれなりの飼育水槽管理等の環境設定と日々のお魚観察が必須であると思います。
淡水魚倶楽部でもこれまでに色々な生物の繁殖行動等をアップしてきましたが、淡水魚の中では『オイカワ』等が比較的容易に飼育下において産卵行動・繁殖が観察出来る事が知られていますので、淡水魚倶楽部員の皆様も是非、飼育している色々なお魚等の繁殖行動等を観察して産卵⇒孵化⇒成長を経験して見て下さい。
淡水魚を飼育していて観賞のみに終わるのも良いのですが、今より更にお魚に関する興味及び生育環境等がきっと理解出来ると思います。
そしてより多くの方がお魚に興味を抱き、また自然環境の保護と改善が必須であることを少しでも認識して頂けるようになれば幸いです。
今回『ホトケドジョウ』の繁殖レポートに関して色々とご指導頂きました勝呂様には感謝すると共に御礼申し上げます、また淡水魚倶楽部にレポートを提供して頂いた”ハチさん”ありがとうございました。
尚、レポート原文の一部を修正させて頂いております、ご了承方お願い致します。

今後も皆様の『○○○子育て記録レポート』をお待ちしておりま〜す!!

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